内見前の準備と当日の対応
購入希望者が実際に物件を買ってくれるか、最終的な決め手となるのが内見です。
内見とは、購入希望者に物件を見学してもらうことで、この時の印象次第で売買契約の成立が決まると言っても過言ではありません。
それでは、購入希望者に少しでも物件を魅力的に見せるために、売主はどんな準備をしておけばいいのか、事前の準備と当日の対応などを、3つのポイントに分けて、ご紹介していきます。
内見の前に掃除と整理整頓を
購入希望者の第一印象をよくするには物件の掃除と整理整頓が不可欠です。
例え、実際の引き渡し時には家具などの私物がなくなり、綺麗になるとは言っても、汚れていたり、散らかっている状態では、新生活のイメージもし難いものです。
その中でも特に、以下のような購入者の目に留まりやすい箇所は念入りに掃除することをおすすめします。
1.玄関・庭周り
購入希望者が物件を訪問して、最初に見るところは玄関です。
玄関を綺麗に見せるには、靴は下駄箱にしまっておくと良いでしょう。片付いている玄関は実際よりも広く感じられ、好印象です。
また、一戸建ての場合は庭先の手入れもしておくとより、印象は良くなります。
雑草が生えていたり、植木が伸びっぱなしになっていたり、シーズンの過ぎた花などがあれば手入れをしたり、取り除いておくことをおすすめします。
売却する不動産が土地の場合も、不用品が放置されていたり、雑草が生えているなど、手入れが行き届いていない状態ではマイナスイメージになりますので、事前に清掃をすると良いでしょう。
2.リビングルーム
リビングルームは家族団欒の中心となる場所です。そのため、購入希望者もその家での暮らしをイメージするために重要視する場所であり、売主としては一番生活感が出てしまいやすい場所でもあります。
余計な私物などは可能な限り片付け、家具の配置などが乱れている場合は整えておくと好印象になるでしょう。
3.水回り
購入希望者が厳しい目でチェックする場所の中でも、清潔感が必要となるのが浴室や洗面所、トイレなどの水回りです。
水垢やカビなどを取り除き、清潔にしておくことはもちろん、石鹸やシャンプーなど、私物が置いてある場合は見えない場所に片付けてしまうか、レイアウトを整えて綺麗に見えるようにしておくと良いでしょう。
ただ、水回りの清掃は難しく、素人では思うように綺麗にできない、という場合は内見の前にハウスクリーニング業者に依頼をして清掃を行う可能性も念頭に置いてスケジュールを組むと良いでしょう。
4.キッチン
水回りと同じように、キッチンも清潔感が欠かせない場所になります。
シンクの水垢やカビなどを取り除き、コンロ周りに油汚れなどがあれば掃除しておきましょう。
また、食器類は食器棚にしまい、出したままになっているキッチン用品も片付けておくと良いでしょう。
5.バルコニー
意外と売主が見落としてしまいがちな場所がバルコニーです。
バルコニーの床や窓の外側は雨風にさらされて汚れたり傷んでいたりすることが多く、普段から頻繁に掃除をする場所ではないこともあり、清掃が大変な場所でもあります。
目に見える汚れだけでなく、雨が降った際の水捌けが悪くなっていないかなど、事前に確認しておくと後々のトラブルも回避することができます。
清掃と整理整頓以外にやっておくと良いこと
清掃が一通り終わり、さらに余裕があれば下記のようなことにも気をつけて準備をしてみましょう。
1.部屋の”におい”に注意
意外と自分では気が付きにくいのが部屋の臭い。
タバコの臭いや、ペットの臭い、食べ物などの生活臭は購入希望者にとってはとても気になるものです。
内見の前に窓を開けてしっかりと換気をしたり、消臭スプレーを使うなど、臭い対策をしておくと印象が良くなります。
2.部屋を明るくしておく
物件を選ぶ際に気になるのが日当たりや採光の良さです。
室内を明るく見せるよう、カーテンは開けて電灯を点けるなど、部屋を明るくしておくと好印象になります。
また、窓際に物がある場合は配置を変えるなどして採光できるようにしておくと良いでしょう。
3.花や植物を飾る
これは個人の好みが分かれるところではありますが、室内に植物があると印象が明るくなります。
内見は初対面の方をお迎えするわけですから、売主も買主も緊張する物です。そういった緊張をほぐすアイテムとして室内の装飾に気を配る事も物件の印象を良くする手助けとなるでしょう。
内見当日は程よい気遣いが大切
内見に来る多くの購入希望者は、その物件の広告などで得られる情報から購入の条件に合っていると感じ、見学に来ます。
そういった購入意欲の高い人に買ってもらいたいと思うのは売主として当然のことですが、あまり積極的にアピールをしても、場合によってはマイナスイメージになることがあります。
実際に購入希望者が内見に来た時、売主はどんな対応をすると喜ばれるのか、考えてみましょう。
1.内見時に聞かれそうなことを事前にまとめておく
購入希望者に質問をされた際、スムーズに答えが返せると喜ばれるものです。
例えば、リフォーム歴や売却の理由など、事前に購入希望者が気になりそうなことをリサーチし、答えを準備しておくと、印象が良くなるでしょう。
もし、どういうことが質問されるのかわからない場合は仲介を依頼している不動産会社の担当者に相談をしてみるのも良いかと思います。
2.周辺環境の情報を用意する
もし、その物件に住んだ場合にどんな生活を送るのか、想像ができる情報があると購入の決め手になる事も多くあります。
例えば、よく使う生活必需品を扱う商店や薬局、おすすめのスポットなど、住んでいた人間だからこそわかるような情報があると喜ばれる事でしょう。
余力があれば、手作りのマップなどを作ってお渡ししても良いかもしれません。
3.適度な距離感で対応を
内見時、購入希望者の反応が気になるのは当然ですが、終始付きっきりで案内をしたり、聞かれてもいないことを話しすぎるなど、積極的すぎるアピールは購入意欲を失わせてしまう場合があります。
また、早期に売却したいのだという売主の心理を逆手にとって、思わない値引きを要求される原因となるケースも少なくありません。
内見の当日は仲介を依頼している不動産会社の担当者も立ち合いますので、基本的なことは担当者に任せ、余裕を持って対応すると良いでしょう。
不動産の売却も購入も、人生で多く経験することではありませんので、売主も買主も緊張や不安を抱えている気持ちは同じです。
内見で購入希望者をお迎えする際は、ご自身がその物件を購入した際の気持ちを思い出し、買主の気持ちになって対応をしてみると良いでしょう。
また、一生懸命売却活動を行なっている売主に対して、不動産会社の担当者も積極的に協力をしてくれる物です。
不動産売却は売主と不動産会社の二人三脚。担当者とよく相談し、購入希望者に気に入ってもらえるよう、内見の準備を行いましょう。