土地売却の流れは?ステップ毎に詳しく解説
土地売却のステップは大まかに分けて7つです。
それぞれのステップ1つずつについて知識を深め、よりスムーズな土地売却に繋げましょう。
【目 次】
土地売却の全体像
土地売却の全体像
まずは全体の流れを簡単に頭に入れておきましょう。
- 1.査定をする
- 2.売り出し価格を決める
- 3.媒介契約を結ぶ
- 4.売却活動を行う
- 5.売買契約を行う
- 6.土地を引き渡す
- 7.確定申告を行う
土地の売却には一般的に4か月程度かかるといわれています。
物件の状態や立地によっては苦戦することもありますので、余裕をもって計画を立てると良いでしょう。
それでは、より具体的に、土地売却の流れについて、確認していきましょう。
ステップ1:査定をする
土地の価格は知りたい理由によって調べる方法が異なります。
「売ったらいくらになるのか」という観点で土地の価格を知りたい場合は不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産会社に査定依頼をすると、現地を訪れて土地の状態や周辺環境などのチェックをし、依頼から一週間ほどで査定書を作成してくれます。
査定価格は依頼した不動産会社によって多少の差がありますので、複数の会社に依頼を出すことをお勧めします。
また、事前に同じ地域で売られている、近い条件の土地をリサーチするなどして、自分の土地の相場を知っておくと査定価格を見比べる基準にすることができます。
ステップ2:売り出し価格を決める
不動産会社から受け取った査定書をまずはよく見比べましょう。
そうすることで土地の最も高い価格と安い価格がわかりますので、その価格の幅の範囲内で、売り出し価格を決めると良いでしょう。
売却額は基本的に、売主の希望で決めることができます。
販売価格を決めるコツとしては、希望価格よりも少し高めに設定しておくことです。
販売開始時に少し高めに設定しておけば、売却活動中に値下げをしたり、買主から値下げの交渉を持ち掛けられたりしても対応することができます。
自分で価格を決める自信がない、という方は信頼のできそうな不動産会社にこの時点で相談しても良いでしょう。
ステップ3:媒介契約を結ぶ
土地の価格が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。
まず、契約を結ぶ不動産会社を選ぶのですが、不動産会社は売主の代わりに買主を探してくれる、重要なパートナーになりますので、より優秀な会社、担当者を見極めて、依頼をしましょう。売却査定を出した際の対応などを見て、決めるのが良いでしょう。
不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。
媒介契約の種類は3種類。「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」となり、それぞれに特徴があります。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
複数業者との契約 | × | × | ● |
他社への通知義務 | × | × | ● |
自己発見取引 | ● | × | ● |
契約の有効期限 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 指定なし |
指定流通機構への登録 | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 | 任意 |
専任媒介契約の特徴
専任媒介契約の場合、不動産会社を1社に絞らなくてはいけませんが、売主自身が買主を探し、直接取引をすることも認められています。
不動産会社を1社に絞って依頼することで、不動産会社は広告費や宣伝費を掛けて販売活動を行ってくれますし、窓口を1つにすることで連絡のやり取りもスムーズになります。
また、売主自身で買主を探すこともできるため、知り合いなどが不動産に興味を持っている場合、直接取引することもできます。
専属専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約の場合、不動産会社を1社のみに絞り、自分で買主を探すことはできません。
一番制約のある媒介契約内容ではありますが、その分、不動産会社も売主を手厚くサポートしてくれるため、比較的早く売れやすいことが大きなメリットです。
ただ、依頼した不動産会社の売却手腕に大きく左右されるため、不動産会社選びはより慎重に行う必要があります。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と契約を結ぶことができ、売主自身も買主を探すことができます。
非常に自由度が高いため、人気エリアの不動産であれば苦労することはなく、依頼した不動産会社同士が自社成立を目指して競い合うこととなり、良い条件での売却を契約することができますが、逆に人気エリア以外の不動産の場合、不動産会社が積極的に販売活動をしてくれず、苦戦をする可能性があります。
また、複数の不動産会社と連絡を取り合う必要があるため、小まめにやり取りができる人に向いているでしょう。
それぞれの契約にメリット、デメリットがありますが、不動産事情に詳しくなく、どの媒介契約にすればいいのか、迷った場合は専任媒介か専属専任媒介を選ぶといいでしょう。
どちらも1社の不動産会社との契約になりますので、連絡のやり取りが楽ですし、不動産会社も自社とのみ契約を結んでくれる売主の為に売却活動に力を入れてくれます。
ステップ4:売却活動を行う
売却活動がはじまると、媒介契約を結んだ不動産会社は現地の写真撮影を行ったり、様々な広告媒体に物件の広告を出したりしてくれます。
広告媒体は、オンラインの不動産ポータルサイトや新聞の折り込み、住宅情報誌など様々ですが、専属専任媒介や専属媒介の場合、国土交通大臣から指定を受け、運営されている不動産流通情報システム、不動産流通機構レインズへの登録が義務とされています。
レインズに掲載されると、全国の不動産会社へ土地情報が発信され、媒介契約を結んだ不動産会社以外の会社から、買主を紹介してもらえる場合があります。
また、売主は売却活動が始まったら、まず、物件の見学希望があった際に対応できるよう、土地の清掃を行いましょう。
ゴミや雑草などが生えている場合は事前に処分しておいた方が好印象です。
加えて、内覧に立ち会うのであれば、土地の周辺環境やハザードマップなどで危険な地域に指定されていないかなども調べておくと、買主から質問があった際にスムーズに対応ができます。
ステップ5:売買契約を行う
買主が現れたら、まずは相手とよく話し合うことが大切です。
お互いが合意する売買契約書を作成するために、買主と話し合い、どのような条件で土地を売却するのか決めましょう。
売却額やいつ土地を引き渡すのか、残りの今年分の固定資産税の支払いや、土地にある樹木の撤去など、細かな点も、後日トラブルにならないようにしっかりと取り決めをしましょう。
話し合いの上、契約書が出来上がったら、売買契約を結びます。
売買契約は売主・売主側の不動産会社・買主・買主側の不動産会社があつまり、交わします。
売買契約書はそれぞれが保管できるように2冊ずつ作成され、それぞれに印紙税として売却価格に応じた額の収入印紙を貼ります。
契約を結んだ段階で、買主から売却額の一部が手付金として支払われますので、そのお金を使って、不動産会社への仲介手数料の支払いや、契約内容により売主が準備するべきことがあれば行いましょう。
ステップ6:土地を引き渡す
売買契約で取り決めた日付になったら土地を買主に引き渡します。
引き渡しの当日には買主は残りの支払額を売主へ支払い、売主は買主に必要な書類を渡します。
買主が住宅ローンなどを組んでいる場合は金融機関が同席する場合があります。
引き渡しが完了すると、その日のうちに土地の名義変更を行います。多くの場合は不動産会社が手配してくれた司法書士が代理で名義変更を行ってくれますので、お任せしましょう。
ステップ7:確定申告を行う
確定申告を行うのは土地を売却した翌年の2月16日〜3月15日までの間です。
土地を売却して利益を得た場合は確定申告が必要になり、控除などを利用するのであれば確定申告と一緒に行いますので、忘れないようにしましょう。
確定申告の際、必要書類の提出がありますので、申告期限よりも前から少しずつ準備をしておきましょう。
売却時の資料をまとめておくなど、事前に準備をしておくと、期日が迫って来ても焦らずに申告することができるでしょう。
これで、土地の売却は完了です。
土地売却に必要な書類一覧
以上が土地売却の流れになりますが、その中で、必要になる書類が複数あります。
不動産会社に相談をすれば、必要な書類について詳しく教えてもらえますが、取得に時間のかかる書類もありますので、事前に把握し、準備を進めておくと安心です。
必要な書類 | 目的 | 使用時 | 取得できる場所 |
---|---|---|---|
登記済権利証、または登記識別情報通知書 | 登記名義人の変更 | 媒介契約時・売買契約時・引き渡し時 | 不動産を入手した際に発行され、再発行はできません |
地積測量図 | 土地情報の確認 | 媒介契約時 | 法務局 |
固定資産税納税通知書 | 負担する固定資産税の計算 | 売買契約時・引き渡し時 | 市役所 |
実印・印鑑証明 | 書類への捺印と実印証明 | 売買契約時・引き渡し時 | 印鑑証明は市役所 |
身分証明書 | 売主本人の確認 | 媒介契約時・売買契約時・引き渡し時 | 免許証、保険証以外は市役所 |
土地の売却に必要な書類について、より詳しく知りたい方は下記の関連記事をご覧ください。
関連リンク|売却中に知っておくべきこと|内見前の準備と当日の対応
土地売却には優秀な不動産会社を選ぶこと
土地売却の流れを詳しく見てきましたが、やることが多く、大変そうに思われた方も多いでしょう。 これらのステップをスムーズに行うには不動産会社の協力が不可欠です。
査定での対応や売却実績、担当者の人柄など、判断基準は様々ですが、査定の時点で多くの不動産会社と連絡を取り、より良い不動産会社を選ぶことがスムーズな土地売却への近道です。
昨今は一括で複数の不動産会社に査定依頼ができるサイトなども多くありますので、そういったサービスを上手く活用して、土地売却を進めていきましょう。